マーベル・シネマティック・ユニバース

マーベル・シネマティック・ユニバースは、マーベル・スタジオズが製作するスーパーヒーロー映画作品が共有する架空の世界である。これまでに公開された『アイアンマン』、『インクレディブル・ハルク』、『アイアンマン2』、『マイティ・ソー』に加え、ポストプロダクション中の『キャプテン・アメリカ: ザ・ファースト・アベンジャー』、撮影中の『ジ・アベンジャーズ』、企画中の『アイアンマン3』、『マイティ・ソー2』がこの世界を舞台としている。

企画

2005年、『バラエティ』誌はマーベル・スタジオズによる自社製作でコミックを映画化し、パラマウント映画がそれらを配給することを報じた。マーベル・スタジオズの社長のケヴィン・フィージによると、それらの作品間では世界観が共有され、「マーベル・シネマティック・ユニバース」が創造されるという。2009年8月31日以来ウォルト・ディズニー・カンパニーがマーベル・エンターテインメントを買収したため、今後ディズニー配給による作品が製作されることが予想されていた。そして2010年10月、同社がパラマウントから1億1500万ドルで配給権を買い取り、『ジ・アベンジャーズ』と『アイアンマン3』を配給することが判った。マーベルは一連の企画の為にメリルリンチから5億2500万ドルの融資を受けている。

テンプレート:ネタバレ 2008年5月、自社製作第一作目の『アイアンマン』が公開された。映画のエンドクレジットの後にサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーが登場した。『エンターテインメント・ウィークリー』誌のジョン・ファヴローへのインタビューによると、この場面を含めたのは「我々はファンのために何かが欲しかった」からであるという他に、キャプテンアメリカの盾が画面上で確認できる。MTV Newsのファヴローへのインタビューによると「ILMのスタッフがジョークとして入れた」とのこと。

続いて公開された『インクレディブル・ハルク』では、エンドクレジット後にロバート・ダウニー・Jrがトニー・スターク役でカメオ出演する。そのシーンではトニーとウィリアム・ハート演じるロス将軍の会話が描かれた。

『アイアンマン2』では、トニーのワークショップで再びキャプテンアメリカの盾が登場し、粒子加速器を平らにするために使われた。また、トニーとニック・フューリーがアベンジャーズ計画について話している間、フューリーがハルクが暴れている映像を観ている。エンドクレジット後にはクラーク・グレッグ演じるフィル・コールソンがニューメキシコ州の砂漠へ向かい、ソーのハンマーであるムジョルニアを発見する。

クラーク・グレッグは『マイティ・ソー』でもフィル・コールソン役で出演する。 テンプレート:ネタバレ終了

作品

作品名	北米 公開日	監督	脚本	製作	配給
フェイズ１
『アイアンマン』	2008年5月2日	ジョン・ファヴロー	マーク・ファーガス ホーク・オストビー アート・マーカム マット・ホロウェイ	アヴィ・アラド ケヴィン・フェイグ	パラマウント映画
『インクレディブル・ハルク』	2008年6月13日	ルイ・レテリエ	ザック・ペン エドワード・ノートン（クレジット無し）	アヴィ・アラド ゲイル・アン・ハード ケヴィン・フェイグ	ユニバーサル・ピクチャーズ
『アイアンマン2』	2010年5月7日	ジョン・ファヴロー	ジャスティン・セロー	ケヴィン・フェイグ スーザン・ダウニー	パラマウント映画
『マイティ・ソー』	2011年5月6日	ケネス・ブラナー	原案 J・マイケル・ストラジンスキー マーク・プロトセヴィッチ 脚本 アシュリー・エドワード・ミラー ザック・ステンツ ドン・ペイン	ケヴィン・フェイグ
『キャプテン・アメリカ: ザ・ファースト・アベンジャー』	2011年7月22日	ジョー・ジョンストン	クリストファー・マーカス スティーヴン・マクフィーリイ
『アベンジャーズ』	2012年5月4日 （撮影中）	ジョス・ウェドン	ジョス・ウェドン	ケヴィン・フェイグ	ウォルト・ディズニー・スタジオ
フェイズ２
『アイアンマン3』	2013年5月3日	シェーン・ブラック			ウォルト・ディズニー・スタジオ
『マイティ・ソー／ダークワールド』	2013年7月26日		ドン・ペイン
『キャプテン・アメリカ／ウィンター・ソルジャー』			クリストファー・マーカス スティーヴン・マクフィーリイ
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』		ジェームズ・ガン	ジェームズ・ガン ニコール・パールマン
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』		ジョス・ウェドン	ジョス・ウェドン
『アントマン』		ペイトン・リード
フェイズ３
『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』					ウォルト・ディズニー・スタジオ
『ドクター・ストレンジ』
『ガーディアンズ オブ ギャラクシー Vol.2』
『スパイダーマン： ホームカミング』
『マイティ・ソー：ラグナロク』
『ブラック・パンサー』
『アベンジャーズ：インフィニティ・ウォーPART１』
『アントマン ＆ ワスプ』
『キャプテン・マーベル』
『アベンジャーズ：インフィニティ・ウォーPART２』
『インヒューマンズ』
『タイトル未定』
『タイトル未定』
『タイトル未定』

今後の計画

テンプレート:予定 エドガー・ライトが、実写映画『アントマン』を監督する計画を立てている。スクリプトはライトとジョー・コーニッシュが執筆し、1960年代のTales to Astonishのアントマンとしてヘンリー・ピムを、1980・1990年代のピムの後継者としてスコット・ラングが登場する予定である。

2009年、マーベルはブラックパンサー、ケーブル、アイアンフィスト、ナイトホーク、ヴィジョンのような知名度の低いキャラクターを活かす方法を考えるために脚本家を雇おうと試みた。

2010年4月、マーベル・スタジオはマイナーなキャラクターを小作品として映画化するべく、脚本家や映画監督を集めてミーティングを行った。映画の予算は2000から4000万ドルになる予定で、ドクター・ストレンジ、カイ・ザー、ルーク・ケイジ、ダスラー、パワー・パックの名が挙がった。

2010年5月、サミュエル・L・ジャクソンは、『ジ・アベンジャーズ』の後にS.H.I.E.L.D.の映画が公開されるかもしれないと語った。

マーベル・スタジオズの社長のケヴィン・フィージは『アイアンマン2』の結果に満足し、2013年までに『アイアンマン3』を公開すると発言した。フィージによると、ロバート・ダウニー・Jrと既に契約済みであるという。

2010年7月、コミコン・インターナショナルでケヴィン・フィージは『パニッシャー』をリブートする企画があることを明かした。作品はマーベル・スタジオの自社製作になるという。

2010年9月、『アイアンマン2』に登場したブラック・ウィドーのスピンオフを製作する話があることを、同映画のDVDとブルーレイの発売会見の席にてケヴィン・フィージが明かした。この時点で既に同役を演じたスカーレット・ヨハンソンとの話し合いが開始されているが、製作が始まるのは『ジ・アベンジャーズ』よりも後になるという。

2010年10月、ウォルト・ディズニー・スタジオがパラマウント映画から1億1500万ドルで配給権を買い取ったことで『ジ・アベンジャーズ』と『アイアンマン3』が同社によって配給されることが報じられ、同時に『アイアンマン3』の公開日が2013年5月3日になると告知された。

2011年1月に、マーベル・スタジオズは、ブラック・パンサーの映画脚本を書かえるためにドキュメンタリーの映画作家のマーク・ベイリーを雇った。また同月、ウォーマシーンのスピンオフ映画が企画中であることがドン・チードルにより明らかにされた。

2011年4月、フィージはマーベル・スタジオズは『ソー』と『キャプテン・アメリカ』の続編を企画し、さらにブラック・ウィドー、ホークアイ、S.H.I.E.L.D.の映画も作りたいという趣旨の発言をした。

キャストと登場人物

リスト・インジケーター

• 灰色のセルは、キャラクターが該当作品に登場しなかった場合を示す。

キャラクター	作品名					公開予定作品
	アイアンマン	インクレディブル・ハルク	アイアンマン2	マイティ・ソー	キャプテン・アメリカ: ザ・ファースト・アベンジャー	ジ・アベンジャーズ	アイアンマン3	マイティ・ソー2	キャプテン・アメリカ2
トニー・スターク （アイアンマン）	ロバート・ダウニー・Jr					ロバート・ダウニー・Jr
ブルース・バナー （ハルク）		エドワード・ノートン ルー・フェリグノ (声)				マーク・ラファロ ルー・フェリグノ (声)
ソー				クリス・ヘムズワース		クリス・ヘムズワース		クリス・ヘムズワース
スティーヴ・ロジャース （キャプテン・アメリカ）					クリス・エヴァンス				クリス・エヴァンス
フィル・コールソン	クラーク・グレッグ		クラーク・グレッグ			クラーク・グレッグ
クリスティン・エヴァーハート	レスリー・ビブ		レスリー・ビブ
ニック・フューリー	サミュエル・L・ジャクソン		サミュエル・L・ジャクソン
ハロルド・"ハッピー"・ホーガン	ジョン・ファヴロー		ジョン・ファヴロー
JARVIS	ポール・ベタニー (声)		ポール・ベタニー (声)			ポール・ベタニー (声)
ヴァージニア・"ペッパー"・ポッツ	グウィネス・パルトロー		グウィネス・パルトロー
ジェームズ・"ローディ"・ローズ	テレンス・ハワード		ドン・チードル				ドン・チードル
ハワード・スターク	ジェラード・サンダース		ジョン・スラッテリー		ドミニク・クーパー
ナターシャ・ロマノフ			スカーレット・ヨハンソン			スカーレット・ヨハンソン
クリント・バートン / ホークアイ				ジェレミー・レナー		ジェレミー・レナー
ロキ				トム・ヒドルストン		トム・ヒドルストン
エリック・セルヴィグ				ステラン・スカルスガルド		ステラン・スカルスガルド

評価

興行成績

作品名	北米公開日	興行収入			順位		製作費	出典
		北米	北米以外	全世界	北米歴代	全世界歴代
『アイアンマン』	2008年5月2日	$318,412,101	$266,762,121	$585,174,222	#25	#66	$140,000,000
『インクレディブル・ハルク』	2008年6月13日	$134,806,913	$128,620,638	$263,427,551	#269	#304	$150,000,000
『アイアンマン2』	2010年5月7日	$312,433,331	$309,623,643	$622,056,974	#29	#54	$200,000,000
『マイティ・ソー』	2011年5月6日	$179,501,162	$265,000,000	$444,501,162	#145	#115	$150,000,000
合計		$945,153,507	$956,411,832	$1,915,159,909			$640,000,000

批評家の反応

作品名	Rotten Tomatoes		Metacritic	Yahoo! Movies
	Overall	Cream of the Crop
『アイアンマン』	94% (232 reviews)	93% (42 reviews)	79 (38 reviews)	B+ (15 reviews)
『インクレディブル・ハルク』	66% (209 reviews)	55% (38 reviews)	61 (38 reviews)	B- (14 reviews)
『アイアンマン2』	74% (258 reviews)	67% (36 reviews)	57 (40 reviews)	B- (12 reviews)
『マイティ・ソー』	77% (246 reviews)	66% (38 reviews)	58 (39 reviews)	B (10 reviews)
『キャプテン・アメリカ: ザ・ファースト・アベンジャー』	72% (121 reviews)	76% (38 reviews)	67 (32 reviews)	C+ (9 reviews)
平均	77%	71%	64	N/A

出典

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