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H alternate 3 ネタバレが含まれています!!
この記事には、近日公開または公開中の
作品のネタバレが含まれています。ご注意ください。

ドクター・ストレンジことスティーヴン・ストレンジは天才的な神経外科医であったが、事故によってその能力を奪われ、神秘的な魔術の世界へと足を踏み入れる。

ヒストリー

生い立ち

スティーヴン・ストレンジは、妹と弟をもつ三兄弟の長男として生まれ育った。ある日、農具の事故により傷付いた妹を救ったことから誰かを救うことが自分の天命であると考えるようになる。しかしその後、スティーヴンの誕生日に三兄弟で訪れた海水浴のさなかに妹が溺死してしまう。事故ではあったものの、気付けなかったことを悔やんだ彼は医師を志すようになる。

ニューヨーク・メトロポリタン総合病院で働き、神経外科医として名を馳せるようになったストレンジだったが、仕事に没頭する彼は家族と疎遠になっていた。ある日、弟であるヴィクター・ストレンジが彼のもとを訪れ、父の危篤を告げる。医師でありながら父を死の淵から救うことができないという悔しさから素直に見舞いに行くことができず、家族への想いと医師としての使命の間で揺れるうち、ヴィクターから電話で父の死を告げられてしまう。失意に暮れるストレンジは、絶交を言い渡しに彼を訪れたヴィクターを呼び止めようとするが、その手を突き放したことで車にはねられ死亡してしまう。このことから彼はより仕事にのめり込むようになってしまうのだった。


事故と失墜

ある日、ストレンジがいつものように手術をこなしていたところ、ERの女医クリスティーン・パーマーから助けを求められる。頭部に弾丸を撃ち込まれた緊急患者が脳死と判断されたが、彼女はストレンジならまだ救えると信じていたのだ。あしらおうとするストレンジだったが、判定を下したのがライバルである外科医ニック・ウェストであると知ると態度が一転。一刻を争う状況の中、時間のかかる画像判定を待たずフリーハンドで弾丸を除去した。

その夜、講演に向かうために雨の中電話しながらスポーツカーを運転していたストレンジは、不注意から他の車と接触し、崖下に転落してしまう。重傷を負った彼だったが、奇跡的に生還する。しかし両腕の神経は修復不可能なレベルで傷ついており、指を自在に動かすことすら出来なくなってしまった。

高額な手術を繰り返しなんとか治そうとするも効果はなく、財産のほとんどを失う。同僚であり恋人でもあったクリスティーンにも口論の末に愛想を尽かされた彼は、脊髄を完全に損傷しながらも再び歩くことが可能になったという男、ジョナサン・パングボーンのもとを訪ねるのだった。


魔術の世界へ

バスケに興じていたパングボーンからカマー・タージという施設の名を聞き出したストレンジは、有り金をはたいてネパールのカトマンズを訪ねる。施設を探してさまよい歩く彼は追い剥ぎに遭い、最後の所持品であった腕時計を奪われそうになったところを、フードを被った謎の男・モルドによって助けられ、彼の導きによってカマー・タージに辿り着く。そこは医療施設ではなく、神秘的な魔術の修行を行う場であった。当初は懐疑的なストレンジであったが、施設で修行していた魔術師達の指導者である至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)エンシェント・ワン多元宇宙(マルチバース)のビジョンを見せられたことにより、魔術の存在を確信し彼女への弟子入りを懇願した。

エンシェント・ワン、そして兄弟子となったモルドや書庫の番人ウォンら魔術師たちとの長きにわたる厳しい修行の末、驚異的なスピードで魔術を会得したストレンジ。書庫の高度な魔術書を盗み見ながらさらなる高みを目指すうち、好奇心からカリオストロの書に記されたアガモットの目による禁術を発動。時間の流れを操り、食べていたリンゴを元の姿に復元したり、腐らせたりすることが可能であると知ってしまう。かつて魔術師集団を裏切ったマスター・カエシリウスによって破り取られたページに術を使い、やはり復元されたページから暗黒次元(ダーク・ディメンション)とその王・ドルマムゥ、そして不老不死をもたらす闇の魔術の存在を知るストレンジだったが、駆け付けたモルドとウォンに制止される。二人は時間を操作することの危険性を説き、アベンジャーズも関知できない魔術的な闇の脅威から地球を守ることが魔術師達の真の目的であることを彼に教えるのだった。


戦いのはじまり

書庫の奥にあるロンドン・サンクタムへの扉が突然開け放たれる。カエシリウスは、ドルマムゥを地球に呼び寄せるため、地球を守る結界の拠点であるサンクタムを破壊しようとしていたのだった。扉から逃げてきた魔術師のひとりも殺され、魔術による攻撃でロンドン・サンクタムは破壊されてしまう。その際の爆風に巻き込まれたストレンジは、反対側の扉からニューヨーク・サンクタムへと飛ばされる。同時に衝撃で扉が破壊されてしまったため、戻ることも出来なくなってしまった。

仕方なくサンクタム内を物色するストレンジは、保管庫に収められていた浮遊マントや、世界の様々な場所へと移動することができる魔術回廊などを目にする。そんな中、入口から堂々と現れたカエシリウスと彼が率いる狂信者集団・ゼロッツは、ニューヨーク・サンクタムを守護していたマスター・ドラムを殺害した。その光景を陰から見ていたストレンジは、彼らを阻止するべく立ち向かっていく。


マスター・ストレンジ

浮遊マントの協力を得たストレンジは、激しい戦いの末に二人のゼロッツを撃退しカエシリウスを拘束した。カエシリウスは、時間に縛られたこの世界をドルマムゥに委ね、暗黒次元の一部とすることで人類を永遠の存在にするという彼の目的をストレンジに告げる。ストレンジは彼の言葉にかつての自分を見出しながらも否定していたが、至高の魔術師であるエンシェント・ワンの長寿の秘密について尋ねられた際、彼女が闇の魔術を利用している可能性に気付いてしまう。その時、ストレンジのスリング・リングを密かに奪っていたゼロッツのひとり・ルシアンが背後から彼を強襲。胸を刺し貫かれ瀕死の重傷を負った。

浮遊マントの活躍によりスリング・リングを取り返したストレンジは、ポータルを通り抜けてメトロポリタン総合病院へと移動し、ナースステーションにいたクリスティーンに助けを求める。手当ての最中、彼を追ってアストラル体となって現れたルシアンに再び襲撃されるが、クリスティーンの協力で彼を再び撃退した。ストレンジは去り際に過去の自分を悔やみ、彼女に謝罪した後サンクタムに戻る。しかしカエシリウスは逃亡した後だった。再会したモルドとエンシェント・ワンからサンクタムを守護した功績を認められ、マスターへの昇格を言い渡されるストレンジだったが、人を殺めてしまった事を悔やみ、自分はマスター・ストレンジではなく、ドクター・ストレンジであると言い張るのだった。

言い争いの中、エンシェント・ワンの長寿に対する疑念をぶつけると、彼女は口ごもりその場を立ち去ってしまう。直後、再び襲撃してきたカエシリウス達がサンクタムを破壊しようとした瞬間に、ストレンジはその場にいた全員をミラー次元(ミラー・ディメンション)へと閉じ込め、魔術による攻撃がサンクタムを破壊するのを防いだ。そしてカエシリウスからスリング・リングを奪い取り、ミラー次元に閉じ込めてしまうことを画策する。だが、暗黒次元からパワーを得たカエシリウスはミラー次元内の建物や物理法則を意のままに操れるため、脱出を図ろうとするストレンジとモルドは逆に追い詰められてしまう。間一髪で現れたエンシェント・ワンに救われるものの、ミラー次元を自在に操る彼女の額にもまたドルマムゥの紋章が浮かび上がっていた。


師との別れ

カエシリウスの冷酷な策により、彼の部下ごと刺し貫かれたエンシェント・ワンは、スリング・リングの空間移動術によってニューヨークの上空に放り出されてしまう。ストレンジは墜落する彼女ををモルドと共に追ったが間に合わず、地面に叩きつけられてしまった。再びメトロポリタン総合病院に赴いたストレンジは、運び込まれたエンシェント・ワンの手術のため再びメスを執る。しかし手の震えは収まらず、かつてライバルであったニック・ウェスト医師にメスを託すのだった。手術中に心停止した彼女のアストラル体が肉体を離れていくのを目撃したストレンジは、自らもアストラル体を身体から投射し、跡を追う。雪の降るベランダに立つと、エンシェント・ワンは暗黒次元から力を得ながら永遠を生き続ける苦悩や、モルドとストレンジが協力していく必要性を語る。消滅する師との別れを済ませた後、ストレンジはクリスティーンと言葉を交わす。人を救う道が医師の他にもあることを再確認し、カマー・タージへと戻るのだった。


決戦

自身の師が暗黒次元から力を得ていた事に絶望していたモルドに喝を入れたストレンジは、スリング・リングでゲートを開き、カエシリウスが次に襲うであろう香港のサンクタムへと急行した。しかしサンクタムは既に陥落し、上空では暗黒次元が現実世界を侵食すべく広がり始めていた。モルドは手遅れだと言い張るが、ストレンジは首にかけたままだったアガモットの目を開き、禁断の魔術で時間を巻き戻しはじめる。あらゆる物体が巻き戻っていく空間の中、魔術に対抗したカエシリウスと二人のゼロッツが動き出した。戦いの中で殺されてしまっていたウォンも復活し、三人は再びサンクタムが破壊されるのを阻止すべく戦いはじめる。

激しい戦いの中、カエシリウスの攻撃によって時間操作の魔術が中断されてしまい、巻き戻っていた時間が停止する。しかし、彼の放った一言を聞いて立ち上がったストレンジは、すぐさま背を向け暗黒次元の中へと飛んでいく。再び時間操作の魔術を発動し、暗黒次元の王・ドルマムゥに直接交渉しようと語りかけるが、その圧倒的な攻撃力により瞬殺されてしまった。

その瞬間、時間が巻き取り、彼は再びドルマムゥに語りかける。ストレンジは時間操作の欠点を逆に利用し、術者である彼が殺され魔術が中断されるたびに時間が巻き戻るタイムループを作り出していたのだ。何度も何度も復活するストレンジに業を煮やしたドルマムゥは交渉に応じ、「カエシリウス達をつまみ出し、地球からは永遠に手を引く」という彼の条件を聞き入れる。帰ってきたストレンジの姿に困惑するカエシリウス達だったが、その直後、彼の身体は砂状に変化し、引き連れていたふたりのゼロッツと共に暗黒次元へと飲み込まれた。ストレンジが再び時間を巻き戻し、破壊された街とサンクタムを元に戻したことで戦いは終わった。彼は自然の摂理を破ってしまったことを自嘲するが、ウォンはうまくいったと励ます。しかしモルドはそんなストレンジたちに別れを告げ、別の道を歩むと告げて立ち去った。


新たな道

カマー・タージへと戻ったストレンジは、アガモットの目を返還し、ウォンからインフィニティ・ストーンを持つにはまだ修行が足りないことを指摘された。エンシェント・ワンが死んだことにより、地球を守護する至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)はもういない。再び迫り来る脅威に備えて、ストレンジはニューヨークのサンクタムの新たな主となり、魔術師ドクター・ストレンジとして生きていくことを決意する。彼は少しだけ動きを取り戻した両手を眺め、壊れてしまったクリスティーンの時計を腕に巻くのだった。その後、再びニューヨークへと訪れたソーをサンクタムに迎え、ロキと共に父・オーディンを探しに来たことを告げられる。そこでストレンジは、ソーに大きな危機が迫っているという予言を告げる。

性格

プライドが非常に高く、自分の常識に反するものを容易に信じようとしない。傲慢さはアイアンマン/トニー・スタークに似ている。また、天才でありながら努力を惜しまない。魔術の世界を知ってからは、自分の傲慢さや過ちを認めて、少しずつ改心している。魔術師としてのドクター・ストレンジとなってからは、医療以外で人を救う道を歩み始めた。多くの修行を積み沢山の魔法書を読み、難解な呪文を早いペースで身に付けた為、ウォンやモルドからは生まれながらの魔術師と評され驚かれた。また医師である彼は、どんな命であろうと必ず救うことを信条としている。

能力と弱点

能力

  • 魔術:古来より伝えられてきた、多元宇宙にアクセスし強力なパワーを引き出すための技法。呪文と身振りにより構成され、魔術師達は呪文によって自らの思考に集中し、身振りにより肉体を集中させ、魂を制御することで思考を現実化することができる。オレンジ色のエネルギー体によって構成される魔法陣を変形させ、武器として使用することが可能で、ストレンジは主に鞭や盾のように変化させて戦う。
  • ミラー次元(ディメンション)への移動:周囲の人間や物体を瞬間的にミラー次元へと移動させることが可能。ミラー次元で発生した変化は現実世界に影響を及ぼさない為、相手の行動が周辺に破壊をもたらすのを防ぐことができる。また、ミラー次元からはスリング・リングがないと脱出することができないため、相手を一時的に閉じ込めておくことも可能。
  • アストラル投射:魂をアストラル体として身体から抜け出させ、精神エネルギーによって構成される空間・アストラル次元(ディメンション)へと移動させることが可能。通常の次元からは目に見えず触ることもできないが、任意に可視化・実体化することができ、眠りながら本を読んだり、一部の物体のみを通り抜けながら別の物体に触れたりすることができる。
  • 瞬間記憶能力:魔術を会得する以前から持っていた能力。一度見たものを完全に記憶することができる。魔法書を一目読んだだけで、難解な呪文を瞬間的に覚えることも可能。

弱点

  • 医師としての信念:医者であるがゆえに命を奪うことが出来ず、たとえ相手が悪人でも命を奪うことを躊躇する。
  • 両手:交通事故の後遺症として神経が傷付いた両手は、魔術の力によって治療されることなく、ストレンジの意志によってそのままにされている。リハビリにより多少の動きは取り戻しているものの、細かく精密な動作は不可能である。

装備

装備

  • 浮遊マント:自らの意思で浮遊・移動する赤いマント。纏った者は宙に浮き空を飛べるが、気まぐれな性格を持つため気に入られた魔術師にしか纏うことができない。ニューヨークのサンクタムに保管されていたが、カエシリウスとの戦い以降はストレンジと共に行動している。
  • アガモットの目:遠い昔、カマー・タージの魔術師集団の創設者にして、「至高の魔術師」の初代にあたる存在・アガモットが制作したアイテム。インフィニティ・ストーンの一つであるタイム・ストーンが埋め込まれた目玉型のペンダントで、ストレンジは首にかけて使用した。魔力を用いてその目を開くことで、時間を意のままに操ることができる。ドルマムゥとの戦いの後はカマー・タージの書庫の奥に安置されている。
  • 腕時計:恋人であったクリスティーンから贈られたもの。裏側には「Time will tell you how much I ove you. (私の愛を時と共に)」と彫刻されている。カマー・タージを探し歩く中で追い剥ぎに盤面を破壊されてしまったが、そのままにしてある。

移動手段

  • スリング・リング:指に嵌め、もう片方の手で円を描くとポータルが開き、どんな場所にも瞬間移動出来る魔法の指輪。使用するには、一定以上の想像力と技能が必要である。

トリビア

  • かつてヒドラが実行しようとした、インサイト計画のターゲットのひとりであった。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』においてジャスパー・シットウェルがその名を口にしている。
  • 2つの博士号を持っている。
  • 『ドクター・ストレンジ』エンドクレジット後のシーンでは、再びニューヨークへと訪れたソーをサンクタムに迎え、ロキと共にオーディンを探しに来たことを告げられる。
  • ストレンジの腕時計は「ジャガールクルト・マスターウルトラスリム パーペチュアル ホワイトゴールド」。日本円では約440万円(2017年2月現在)。[1]

別アースの同一キャラクター

脚注

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