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『アイアンマン』(Iron Man)は、2008年のアメリカ映画。主演はロバート・ダウニー・Jr。
概要[]
マーベル・コミックから生まれた人気フランチャイズ「アイアンマン」の実写映画化作品。1990年にユニバーサル映画から映画化の話が持ち上がって以来、20世紀フォックスやニュー・ライン・シネマなど各社で壮絶な権利争奪戦が繰り広げられたが、最終的にマーベルの映画製作部門であるマーベル・スタジオズが権利を買い戻し、自社初の独立製作(インディペンデント)作品として2006年頃から製作が進められた。
監督には、同じくマーベル・コミックが原作の映画『デアデビル』に俳優として出演した縁からジョン・ファヴローが着任。脚本の草稿も完成し、本格的なプリプロが開始された。並行してキャスティングも進められ、おおよその役が決まっていったが、主人公の「トニー・スターク」を演じる俳優探しに関しては難航した。製作サイドが数多くの若い男優をリストアップする中、ファヴロー監督は当時43歳のロバート・ダウニー・Jrを推薦したが「老けすぎている」との理由で却下。しかし、自ら原作コミックのファンを公言するダウニー・Jrはスクリーンテストに見事な役作りで臨み、製作サイドを納得させタイトルロールの座を勝ち取ることになる(選考の理由として、ファヴロー監督は「ダウニー・Jr自身の波瀾万丈のキャリアが、トニーという役に奥行きを与えた」と語っている)。
結果、様々な紆余曲折を経ながらも完成した本作は、本国アメリカをはじめ世界各国でヒットを記録。製作サイドの不安要素だったダウニー・Jr=「トニー・スターク」も原作ファンおよび批評家から絶賛され、作品のクオリティと共に高評価で歓迎されることとなった。
日本では公開が9月と全米公開から四ヶ月以上も後の公開となった。日本でのキャッチコピーは「装着せよ。強き自分」である。
ストーリー[]
巨大軍事企業「スターク・インダストリーズ」の社長であり天才発明家のトニー・スタークは、自身が開発したクラスター型ミサイル「ジェリコ」を現地の在留アメリカ空軍にプレゼンすべくアフガニスタンを訪れていた。しかし、無事にプレゼンを終え帰路に就いたトニーを待ち受けていたのは、現地のゲリラ「テン・リングス」による激しい襲撃だった。同行していた若い兵士たちが次々と殺される中を必死に逃げまどうトニーだったが、ゲリラは彼に向けて小型ミサイルを発射した。トニーがそのミサイルに刻まれた「スターク・インダストリーズ」のロゴを目撃した瞬間、ミサイルは爆発。爆風で吹き飛ばされたトニーは意識を失ってしまう。
気がつくと、トニーはゲリラの本拠地である洞窟に拉致されており、胸には車載用バッテリーに繋がった電磁石が取り付けられていた。爆発の際、飛び散ったミサイルの破片がトニーの心臓周辺に突き刺さったため、電磁石で破片を引き留めておかなければ1週間で命を落とすというのである。ゲリラの本拠地にはトニーを吹っ飛ばした例のミサイルをはじめ、横流しされたスターク・インダストリーズ社製の武器が所狭しと並んでいた。囚われの身となったトニーは、解放の条件として「ジェリコ」の組み立てを強要される。
やむなく「ジェリコ」製造に取り掛かったトニーは、同じく捕虜となったインセン博士の協力を得ながら、敵の目を欺いて密かにある物を作り始めた。膨大なエネルギーを生み出す熱プラズマ反応炉「アーク・リアクター」の小型版である。胸に接続することで生命維持を可能にするこの装置を完成させたトニーは、続いて装置と連動する鉄製の強固なアーマー「マーク1」を作り上げる。火炎放射器やジェット・パックを搭載し、凄まじいパワーを発揮するそのアーマーを装着したトニーは、自らの命を犠牲にしたインセンの手助けによってゲリラを退け、アーマーを故障させながらも何とか脱出に成功する。
脱出後、アフガニスタン辺境の砂漠に墜落しあてもなく彷徨するトニーだったが、空軍の捜索隊に保護され本土に生還。国を守るために作った自社製品がゲリラの手に渡り、またその武器により目の前で若い兵士たちが殺されたことへの後悔から、記者会見で「軍事関係には今後一切関わらない」と宣言する。そして、テロ撲滅に貢献すべく、自らが設計した最新鋭人工知能のJ.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)と共に、脱出で粉々になってしまったマーク1に代わるアーマーの開発に着手。試行錯誤の末、トニーは様々な武器を組み込み戦闘用に改良された「マーク2」を経て、遂に最終形「マーク3」を完成させる。
トニーは親友の「ローディ」ことジェームズ・ローズ中佐や秘書のペッパー・ポッツの協力も得て、完成したアーマーを装着し「アイアンマン」としてテロとの戦いを開始する。だが、その影にはスターク・インダストリーズで秘密裏に進むある陰謀、そして重役であるオバディア・ステインの野望が潜んでいた…。
キャスト[]
役名 | 俳優 | 日本語吹替1 | 日本語吹替2 |
---|---|---|---|
アンソニー・”トニー”・スターク | ロバート・ダウニーJr | 藤原啓治 | |
ジェームズ・"ローディ"・ローズ | テレンス・ハワード | 高木渉 | 山寺宏一 |
オバディア・"オビー"・ステイン/アイアンモンガー | ジェフ・ブリッジス | 土師孝也 | 壤晴彦 |
ヴァージニア・"ペッパー"・ポッツ | グウィネス・パルトロー | 岡寛恵 | 田中敦子 |
クリスティン・エヴァーハート | レスリー・ビブ | 北西純子 | 魏涼子 |
インセン | ショーン・トーブ | 井上倫宏 | 古川登志夫 |
ラザ | ファラン・タヒール | 佐々木勝彦 | |
フィル・コールソン | クラーク・グレッグ | 根本泰彦 | |
J.A.R.V.I.S.の声 | ポール・ベタニー | 加瀬康之 | 東地宏樹 |
ハロルド・"ハッピー"・ホーガン | ジョン・ファヴロー | ||
パーティーの男 | スタン・リー | ||
ニック・フューリー | サミュエル・L・ジャクソン | 手塚秀彰 |
- 日本語吹替1:劇場公開版。DVD・BD収録。
- 日本語吹替2:テレビ朝日版。初回放送2011年2月20日「日曜洋画劇場」。
スタッフ[]
- 監督: ジョン・ファヴロー
- 脚本: マーク・ファーガス & ホーク・オストビー and アート・マーカム & マット・ホロウェイ
- 製作: アヴィ・アラド / ケヴィン・フィージ
- 製作総指揮: ルイス・デスポジート / ピーター・ビリングスリー / アリ・アラド / スタン・リー / デヴィッド・メイゼル
- 撮影: マシュー・リバティーク, ASC
- プロダクション・デザイナー: J. マイケル・リーヴァ
- 編集: ダン・リーベンタール, A.C.E.
- 視覚効果 & アニメーション: インダストリアル・ライト & マジック、スキャンラインVFX
- 視覚効果スーパーヴァイザー: ジョン・ネルソン
- 音楽スーパーヴァイザー: デイヴ・ジョーダン
- 音楽: ラミン・ジャワディ
公開後の評価[]
アメリカ[]
パラマウント映画配給で2008年5月2日に封切られ、堂々の初登場第1位を記録。週末ボックスオフィスでは歴代11位(公開当時)となる9861万ドル(約105億円)を記録し、見事なサマー・シーズンの幕切りを飾った。ちなみに2008年12月現在の全米興行収入は、マーベル作品歴代ボックスオフィスの第4位(第1位~3位は『スパイダーマン』シリーズで、第5位は『X-MEN: ファイナル ディシジョン』)。また、本作は最先端のVFXを用いた映像が高く評価され、第81回アカデミー賞において「視覚効果賞部門」にノミネート。第35回サターン賞ではSF映画賞・主演男優賞・監督賞の3部門を受賞した。
日本[]
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給で2008年9月27日に公開。近年はアメコミ実写映画化作品が揃って不振の日本において、同年公開の『ダークナイト』でさえ成し得なかった初登場第1位を達成(日本で公開されたマーベル原作映画において、第1位獲得は2007年の『スパイダーマン3』以来1年ぶりの快挙)。最終的な興行収入は他のアメコミ作品と同じく12億円程度と振るわなかったものの、健闘ぶりを見せつけた。ちなみに「ぴあ満足度ランキング」では、満足度平均点87.7点という高評価を記録している。
続編とマーベル作品とのクロスオーバー[]
『アイアンマン』3部作[]
全米公開後間もなく、本作のヒットを受けて続編2作の製作も決定。脚本は『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』を執筆し、同作に出演したダウニー・Jr.を唸らせたというジャスティン・セロウが担当する。ファヴロー監督や主要キャストの続投も報じられたが、メインキャラクターの1人「ジェームズ・ローズ」を演じたテレンス・ハワードは続編の製作決定直後、出演料に関してマーベル側と衝突し急遽降板。第2作『アイアンマン2』(2010年5月7日全米公開)以降は、ダウニー・Jr同様に原作の大ファンであるドン・チードルが代役として出演する。この直後、本作に「ニック・フューリー」役でカメオ出演したサミュエル・L・ジャクソンも続編への関与を否定した[1]が、その後マーベル側と『アイアンマン2』『Iron Man 3』を含む9作に登場する契約を交わし復帰した[2]。『アイアンマン2』のヴィラン(悪役)には、ミッキー・ロークが「アイヴァン・ヴァンコ(=ウィップラッシュ)」役[3]で、そしてサム・ロックウェルが原作におけるトニーの好敵手「ジャスティン・ハマー」役で登場することが決定した[4]。ちなみに一部マスコミではロークの降板が報じられ[5]ファンが激怒するという騒動もあったが、後にロークはこれらの報道を否定するため自ら出演に関してのコメントを寄せている[6]。また、時を同じくして登場が発表された「ナタリー・ラッシュマン(ナターシャ・ロマノフ=ブラック・ウィドウ)」役には、スカーレット・ヨハンソンが抜擢[7]。同役はエミリー・ブラントが交渉を受けた[8]がスケジュールの都合で実現しなかったという経緯があり、エリザ・ドゥシュクも同役を切望していたことを打ち明けている[9]。
『The Avengers』[]
また、本作以降のマーベル・スタジオズ作品は、「マーベル・ユニヴァース」の4大ヒーロー(アイアンマン以外に「ハルク」「ソー」「キャプテン・アメリカ」が加わった4人)が一挙に登場する『The Avengers』(2012年5月4日全米公開)に繋がる一大プロジェクトであることも発表されており、同作ではファヴロー製作総指揮のもとダウニー・Jrがアイアンマンを、『アイアンマン2』からの参加となるドン・チードルが原作の人気キャラクターである「ウォーマシン」をそれぞれ演じることになっている[10]。
『アイアンマン』(マッドハウス制作によるアニメ)[]
日本のアニメ制作会社・マッドハウスが制作するアニメ作品が、2010年10月1日から12月10日までアニマックスにて放送された。[11]。本国アメリカでは2011年にケーブルテレビ局のG4チャンネルで放送予定となっている。ただし舞台はアメリカから日本に変更されている。作品の監督を務める佐藤雄三によると「実写映画1作目からの流れで全体が構成されていて、今後のエピソードでいろいろつながっていく構成になっている」と話している。なお、トニーとペッパーの吹き替えは、実写映画でも両名を担当した藤原・岡が引き続き行う。
関連情報[]
- 映画版『チャーリーズ・エンジェル』シリーズの脚本家であるジョン・オーガストが、ノンクレジットながら脚本をリライトしている[12]。
- 奇妙な縁だが『アイアンマン2』の脚本を手がけることになったのは、オーガストが執筆した『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』に出演したジャスティン・セロウ。
- 当初はヴィランとして「マンダリン」が候補に挙がっていたが[13]、最終的にアイアンモンガーになった。
- ちなみに劇中に登場するゲリラの「テン・リングス(10個の指輪)」という名前は、マンダリンが手に10個の指輪を付けていることに由来する。
- 原作コミックおよびマーベル・ユニヴァースに登場する事物の名前やシンボルが随所にちりばめられている。
- マーク2の飛行テスト中、トニーが口にするステルス機の名称「SR-71 ブラックバード」とは、X-MENが原作コミックで偵察機を製作する際、この機をスケールアップさせて「SR-73 ブラックバード」、通称「X-ジェット」を完成させていることで有名な偵察機である。
- マーク3とF-22がドッグファイトを繰り広げるシーンで、原作に登場するヴィラン「ウィップラッシュ」の名前がそのまま戦闘機のコールサインとして用いられている。ちなみにウィップラッシュは前述の通り『アイアンマン2』でミッキー・ロークが演じるヴィランでもある。
- トニーがマーク3としての初出動を終え、自宅のワークショップでアーマーを脱ごうとあくせくするシーンで、背景に作りかけの「キャプテン・アメリカの楯」らしきものが映り込んでいる。
- J.A.R.V.I.S.の声を演じたのはポール・ベタニー。
- ファヴロー監督は、以前に『ウィンブルドン』で俳優として共演した縁からベタニーに声をかけたが、ベタニーは自分がヒーロー映画に出演するとは思ってもいなかったという[14]。
- ジョン・ファヴロー監督が、劇中でトニーのお抱え運転手「ハッピー・ホーガン」役でカメオ出演している。また、アクション・シーンの再現にあたりフルCGで製作されたマーク1の挙動は、ファヴロー監督の動きをモーション・キャプチャーで取り込んだものである[15]。
- 「アイアンマン」原作者であり本作の製作総指揮を手がけたスタン・リーが、本人役でカメオ出演している。
- 本作およびその他のマーベル・スタジオズ作品間で、『The Avengers』に関する様々なクロスオーヴァーが行われている。
- 本作の後半、ローディがマーク2のアーマーを一瞥して装着したい旨をほのめかすシーンがあるが、前述の通りローディは『The Avengers』でアーマーに身を包みウォーマシンとなることが決定していることから、それを示唆したシーンと思われる。
- 本作のラスト近くで、後にアベンジャーズを指揮することになる特殊組織「S.H.I.E.L.D.」(シールド)の名前が登場。エンドクレジット終了後にはサミュエル・L・ジャクソン演じる長官ニック・フューリーが登場し、トニーにアベンジャーズの存在をちらつかせている。ちなみに本作に次いで全米公開された『インクレディブル・ハルク』の作品中盤には、軍部がS.H.I.E.L.D.のデータベースにアクセスするシーンもある。
- 『インクレディブル・ハルク』に、スターク・インダストリーズの社名およびロゴが登場。また、同作のラストシーンではロバート・ダウニー・Jrがトニー・スターク役としてカメオ出演を果たし、ウィリアム・ハート演じる「サディアス・"サンダーボルト"・ロス将軍」にアベンジャーズの話を持ちかけている。
- アイアンマンのアーマーを手がけたのはスタン・ウィンストン・スタジオ[16]。
- ウィンストン自身が原作コミックの大ファンだったことと、ファヴロー監督の前作『ザスーラ』でも仕事をしていた縁から、本作に関わる運びとなった。
- ウィンストンは本作の公開後に死去し、本作は彼にとって最後のプロジェクトとなった(完成作として。未完および製作中だった作品も含めると『ターミネーター4』が事実上の遺作となる[17])。
- ロバート・ダウニー・Jrは本作の次に出演した『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』において、同じくマーベル作品である『スパイダーマン』で主人公を演じたトビー・マグワイアと奇しくも共演を果たしている。
- 「アイアンマン」のブルーレイ&DVDのキャンペーンの一環でくりぃむしちゅーの有田哲平が、日本のアニメソング・テイストのオリジナル応援曲「君の出番だ アイアンマン」(作詞はアメコミ映画ライターの杉山すぴ豊)を歌った。
- 今作に登場する架空の企業、スタークインダストリーズのロゴが実在の軍需企業、ロッキード・マーティン社のロゴに酷似している。
Blu-ray Disc/DVD/UMD[]
2009年3月18日、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントよりBlu-ray Disc/DVD/UMDの3フォーマットでリリース。
- Blu-ray Disc
- アイアンマン(税込 4,980円) ※2枚組/通常版
- アイアンマン 日本限定フィギュア付 Blu-ray BOX(税込 12,800円) ※2枚組/3,000セット限定販売
- DVD
- アイアンマン デラックス・コレクターズ・エディション(税込 4,179円) ※2枚組/通常版
- アイアンマン フェイスマスク・ケース付 DVD-BOX(税込 4,980円) ※2枚組/Amazon.co.jp完全限定販売
- UMD
- アイアンマン(税込 3,990円) ※1枚組
参考[]
- ↑ Comingsoon.net - No More Nick Fury for Samuel L. Jackson?
- ↑ Variety.com - Samuel Jackson Joins 'Iron' Cast
- ↑ Comingsoon.net - First Look at Mickey Rourke as Whiplash!
- ↑ Comingsoon.net - Rourke and Rockwell are the Iron Man 2 Villains!
- ↑ Comingsoon.net - Mickey Rourke Not Doing Iron Man 2?
- ↑ Comingsoon.net - Mickey Rourke Officially in Iron Man 2
- ↑ Comingsoon.net - Johansson Confirmed for Iron Man, Too
- ↑ IESB.net - Black Widow Cast in Iron Man 2!
- ↑ Film School Rejects - Eliza Dushku Wants Black Widow Role in Iron Man 2
- ↑ ComingSoon.net - Downey Jr., Favreau & Cheadle Suit Up for The Avengers!
- ↑ アイアンマン アニマックスで世界初放送
- ↑ JohnAugust.com - Lessons of the Summer, So Far
- ↑ MovieWeb - Comic-Con 2006: Iron Man Villain is Mandarin
- ↑ Superhero Hype! - Paul Bettany on Voicing Iron Man's Jarvis
- ↑ CraveOnline.com - Jon Favreau on Iron Man
- ↑ IESB.net - Exclusive Video Interview: Stan Winston
- ↑ "Terminator Salvation" Official Site - In Memoriam
外部リンク[]
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